「この国には何でもある。本当にいろいろなものがあります。
だが、希望だけがない」(314ページより引用)
希望の国のエクソダスを読むと、この言葉がとても強く印象に残ります。
希望の国のエクソダスのあらすじ
エクソダスとは国外脱出という意味らしいですが、あらすじをざっくり言いますね。
中学生80万人が学校に行かなくなって、自分達でインターネットを駆使して会社を運営します。
そして、北海道に移住して地域通貨まで発行して経済圏を創っちゃう話なのです。
メチャクチャな話だが、今の時代ならありえなくはなく、面白そうだと思いました。
しかし、この物語が書かれたのは1998年頃なので、今から20年以上前です。
インターネットが一般的に使われだしてから、まだ数年しか経ってないと思います。
今読んでも内容がぜんぜん古い感じがしないのですから、びっくりしました。
スマホや仮想通貨、オンラインサロンなど無い時代に、このような小説を書ける村上龍さん恐るべし。
感想と読んだきっかけ
小説では、中学生達が既存の社会に疑問を持ち、大人相手に自分達の考えで行動し社会を動かしていきます。
私が中学生の頃はというと、学校はつまらないが、義務教育なので惰性で行っていました。
高校に行っても、社会にでても惰性で生きてきました。
会社で働いていても、なかなか尊敬できる上司や先輩がいないと感じることが多かったと思います。
そして、私も定年になるまで彼らと同じように働くのかなと思うと、閉塞感でいっぱいになります。
希望がないのです。
最近は、ネットやSNSなどで情報を得ることができるので、多様な生き方や価値観を知って人生の選択肢が増えました。
私がもっと若い時に、学校に行かないという選択肢、正社員という安定した職業にならなくてもよい選択肢など、いろいろあるということを知っていれば人生は大きく変わったと思います。
今は、中学生や高校生ぐらいでも、ネットで何十万円、何百万円稼げる時代なのでうらやましいです。
そうそう、私は小説を面白いと思ったことがなく、普段は読みません。
なぜ「希望の国のエクソダス」を手にとったかというと、 起業家の家入一真さんがやたらTwitterで薦めていたからです。
家入さんは、ロリポップというレンタルサーバーを提供しているペパボの創業者なので、お世話になった方も多数いると思います。
最近では、クラウドファンディングをしているCAMPFIREという会社で活躍されています。
「なめらかなお金がめぐる社会。あるいは、なぜあなた小さな経済圏で生きるべきなのか、ということ。」など、いくつか本も出されていますので気になった方は読んでみてください。
【まとめ】若者は読もう!
読むのは大変かもしれませんが、若い人に読んでほしいと思います。
そもそも私は、表題にあるエクソダスの意味も知らず読んでいました。
難しい語句、金融関係の用語なども多く、中学生が読むにはハードルが高いかも。
しかし、小説の登場人物と同じ世代の中学生が読むと、登場人物のポンちゃんと自分をリンクさせて、こんなことが私にもできるかもと思ってワクワクすること必至です。
それに、この本ぐらい読めないとポンちゃん達のように既存の社会と距離を置き、自分達の価値基準で行動するのは難しいです。
物語自体は面白いので、本を読むのが好きな人は挑戦してみてください。
自分の人生を変えてくれる一冊になるかもしれないです。
この小説を読み終わってから知ったのですが、続きがありました。
「オールド・テロリスト」という小説です。
希望の国のエクソダスの登場人物もでてくるのですが、今度は老人の話みたいです。
まだ読んでいないので買おうか考え中です。
続きは気になりますが…読むのが苦手なので。