NFTアートを売買する前に知っておきたい確定申告の税金計算。

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NFTアートを売買する前に知っておきたい確定申告の税金計算。

3月 26, 2022

「NFTアートの取引は暗号資産がからんでくるので、たくさん売買すると来年の確定申告が面倒くさくなるかも」
と思ったので、NFTの税金について調べてみました。

結論を言うと、NFTアートを購入、売却、販売した時、いづれも税金が掛かる可能性があります。

早めに確定申告の準備をした方が良さそうですね

ロキド画伯

判断に迷う場合は税務署などで相談した方が良いと思いますが、詳しくない職員も多いと思いますので、自身も税の知識を学びましょう。
では、NFTアートを売買する前に知っておきたい確定申告の税金計算について説明したいと思います。

NFTは暗号資産なのか

まず確定申告の税金計算をする前に、NFTとは何かを考える必要があります。
NFT(non-fungible token)は、非代替性トークンという意味ですが、仮想通貨(暗号資産)に該当するのでしょうか?
つまり、ビットコインやイーサリアムなどと同じように税金の計算をしてもよいのかという点を考えます。
暗号資産は、資金決済法で以下のように定義されています。

この法律において「暗号資産」とは、次に掲げるものをいう。ただし、金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二条第三項に規定する電子記録移転権利を表示するものを除く。
一 物品を購入し、若しくは借り受け、又は役務の提供を受ける場合に、これらの代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができ、かつ、不特定の者を相手方として購入及び売却を行うことができる財産的価値(電子機器その他の物に電子的方法により記録されているものに限り、本邦通貨及び外国通貨並びに通貨建資産を除く。次号において同じ。)であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの
二 不特定の者を相手方として前号に掲げるものと相互に交換を行うことができる財産的価値であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの

出典:資金決済に関する法律第二条5項

例えば、ビットコインはどのビットコインも同じで代替性がありますので、不特定の者に対し決済手段として使用することができます。
それぞれが唯一無二の価値を持つNFTは、不特定の者に対し決済手段として使用することができないと思います。
NFTの性質にもよると思いますが、NFTアートの多くは暗号資産に該当しません。

ちなみに、暗号資産の所得は、原則は雑所得として区分し、事業と認められる場合は事業所得になります。
個人で気を付けなければいけないのは、暗号資産で商品を購入した場合や、暗号資産同士で交換を行った場合も、所得金額を計算し税金を納める必要があることです。
暗号資産同士で交換を行った場合に税金が掛かることを知らず、申告漏れで2億円以上の追徴課税を受けた男性のニュースもありましたので注意してくださいね。

参考 暗号資産に関する税務上の取扱い及び計算書について(国税庁)

NFTは、暗号資産とは少し違うようだね。

ロキド画伯

NFTアートの所得区分

NFTアートが暗号資産に該当しないとしても、売買した時に利益を得ると所得税が掛かります。
2022年4月、国税庁のサイトにNFTの税務上の取扱いについて、以下のような見解が示されたようです。

1 いわゆるNFT(非代替性トークン)やFT(代替性トークン)が、暗号資産などの財産的価値を有する資産と交換できるものである場合、そのNFTやFTを用いた取引については、所得税の課税対象となります。
※ 財産的価値を有する資産と交換できないNFTやFTを用いた取引については、所得税の課税対象となりません。

2 所得税の課税対象となる場合の所得区分は、概ね次のとおりです。
(1) 役務提供などにより、NFTやFTを取得した場合
・ 役務提供の対価として、NFTやFTを取得した場合は、事業所得、給与所得または雑所得に区分されます。
・ 臨時・偶発的にNFTやFTを取得した場合は、一時所得に区分されます。
・ 上記以外の場合は、雑所得に区分されます。
(2) NFTやFTを譲渡した場合
・ 譲渡したNFTやFTが、譲渡所得の基因となる資産に該当する場合(その所得が譲渡したNFTやFTの値上がり益(キャピタル・ゲイン)と認められる場合)は、譲渡所得に区分されます。
(注)NFTやFTの譲渡が、営利を目的として継続的に行われている場合は、譲渡所得ではなく、雑所得または事業所得に区分されます。
・ 譲渡したNFTやFTが、譲渡所得の基因となる資産に該当しない場合は、雑所得(規模等によっては事業所得)に区分されます。

No.1525-2 NFTやFTを用いた取引を行った場合の課税関係(国税庁)

暗号資産とFTが別の概念として記載されてますので混乱しますね。

ロキド画伯

そもそも所得区分がわからない方も多いと思います。
所得区分は10種類あり、所得区分により税金計算の方法が異なりますので、納める税額も変わってきます。

所得区分は10種類

  • 利子所得
  • 配当所得
  • 不動産所得
  • 事業所得
  • 給与所得
  • 退職所得
  • 山林所得
  • 譲渡所得
  • 一時所得
  • 雑所得

参考 所得の区分のあらまし(国税庁)

NFTの売買やGiveawayにおける所得は、取引のケースごとに事業所得、譲渡所得、一時所得、雑所得のいづれかになると考えられます。
それぞれの所得区分は、所得税法に以下のように規定されています。

(事業所得)
第二十七条 事業所得とは、農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業で政令で定めるものから生ずる所得(山林所得又は譲渡所得に該当するものを除く。)をいう。
2 事業所得の金額は、その年中の事業所得に係る総収入金額から必要経費を控除した金額とする。

(譲渡所得)
第三十三条 譲渡所得とは、資産の譲渡(建物又は構築物の所有を目的とする地上権又は賃借権の設定その他契約により他人に土地を長期間使用させる行為で政令で定めるものを含む。以下この条において同じ。)による所得をいう。
2 次に掲げる所得は、譲渡所得に含まれないものとする。
一 たな卸資産(これに準ずる資産として政令で定めるものを含む。)の譲渡その他営利を目的として継続的に行なわれる資産の譲渡による所得
二 前号に該当するもののほか、山林の伐採又は譲渡による所得
3 譲渡所得の金額は、次の各号に掲げる所得につき、それぞれその年中の当該所得に係る総収入金額から当該所得の基因となつた資産の取得費及びその資産の譲渡に要した費用の額の合計額を控除し、その残額の合計額(当該各号のうちいずれかの号に掲げる所得に係る総収入金額が当該所得の基因となつた資産の取得費及びその資産の譲渡に要した費用の額の合計額に満たない場合には、その不足額に相当する金額を他の号に掲げる所得に係る残額から控除した金額。以下この条において「譲渡益」という。)から譲渡所得の特別控除額を控除した金額とする。
一 資産の譲渡(前項の規定に該当するものを除く。次号において同じ。)でその資産の取得の日以後五年以内にされたものによる所得(政令で定めるものを除く。)
二 資産の譲渡による所得で前号に掲げる所得以外のもの
4 前項に規定する譲渡所得の特別控除額は、五十万円(譲渡益が五十万円に満たない場合には、当該譲渡益)とする。
5 第三項の規定により譲渡益から同項に規定する譲渡所得の特別控除額を控除する場合には、まず、当該譲渡益のうち同項第一号に掲げる所得に係る部分の金額から控除するものとする。

(一時所得)
第三十四条 一時所得とは、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得及び譲渡所得以外の所得のうち、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の一時の所得で労務その他の役務又は資産の譲渡の対価としての性質を有しないものをいう。
2 一時所得の金額は、その年中の一時所得に係る総収入金額からその収入を得るために支出した金額(その収入を生じた行為をするため、又はその収入を生じた原因の発生に伴い直接要した金額に限る。)の合計額を控除し、その残額から一時所得の特別控除額を控除した金額とする。
3 前項に規定する一時所得の特別控除額は、五十万円(同項に規定する残額が五十万円に満たない場合には、当該残額)とする。

(雑所得)
第三十五条 雑所得とは、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得及び一時所得のいずれにも該当しない所得をいう。
2 雑所得の金額は、次の各号に掲げる金額の合計額とする。
一 その年中の公的年金等の収入金額から公的年金等控除額を控除した残額
二 その年中の雑所得(公的年金等に係るものを除く。)に係る総収入金額から必要経費を控除した金額

出典:所得税法

確定申告の税金計算

NFTアート購入時の税金

NFTアートの購入自体は利益がでるわけではありませんので所得税は掛かりません。

ただ、NFTアートをOpenseaなどのマーケットプレイスで購入する場合、ETHなどの仮想通貨で支払うことが多いと思います。
つまり、NFTの購入と同時に保有しているETHを譲渡し損益を確定させることになります。
例えば、1ETHのNFTアートを購入した場合、ETHの時価が30万円でそのETHの取得価格が10万円なら、20万円の所得があることになります。

暗号資産の取引は、雑所得だね。

ロキド画伯

総収入金額 – 必要経費 = 雑所得

参考 No.1500 雑所得(国税庁HP)

雑所得は総合課税ですので、他の所得と合計した総所得金額で税額を計算します。

NFTアート売却時の税金

国税庁の見解によると、NFTアートを売却した時は譲渡所得のようですね。
ただ、売買頻度などで所得区分が変わってくると思います。

譲渡所得は、50万円の特別控除があるよ。

ロキド画伯

譲渡所得 = 譲渡価額 -(取得費+譲渡費用)-50万円

参考 No.3152 譲渡所得の計算のしかた(総合課税) 国税庁HP

譲渡所得は、所有期間により長期と短期に分けられ、長期譲渡所得の場合は2分の1が課税対象になります。

  • 長期譲渡所得(所有期間5年超える)
  • 短期譲渡所得(所有期間5年以下)


営利を目的として継続的に行なわれる資産の譲渡による所得は譲渡所得に含まれないとされています。
短期で転売を繰り返し利益を得ている方は雑所得になると考えられます。

NFTアート販売時の税金

クリエイターとしてNFTアートを作成して販売した時にも、所得税が掛かります。

  • 副業程度 → 雑所得
  • 事業として行っている→ 事業所得

2次流通の際にクリエイターに入るインセンティブを設定していた場合も、雑所得又は事業所得になると考えられます。

総収入金額 ー 必要経費 = 事業所得

参考 No.1350 事業所得の課税のしくみ(事業所得) 国税庁HP

GiveawayでNFTをもらった時の税金

国税庁の見解を読むと、NFTをもらった場合は一時所得でよいのかなと思います。

総収入金額 ー 収入を得るために支出した金額 ー 特別控除額(最高50万円) = 一時所得

参考 No.1490 一時所得(国税庁)

一時所得は、その2分の1の金額を他の所得と合計して総所得金額を求めた後税額を計算します。

【まとめ】NFTを売買したら確定申告をしよう

NFTアートを購入、売却、販売した時、いづれも税金が掛かる可能性があります。
暗号資産もからんでくるので、余裕を持って確定申告の準備をした方がよさそうです。
必要経費としては以下のものが考えられますので、控除を忘れないようにしましょう。

  • 売買手数料
  • ネット回線の料金
  • パソコンの購入費用

NFTについて国税庁から一応の見解が示されましたが、税理士の方でも分かりづらいとつぶやいていますね。
譲渡した時に譲渡所得または雑所得にするか、迷っている方も多いです。
NFTはプログラムによりいろいろな性質を持たせることができますので、今後も個別に検討しなければならないものがあると思います。
NFTに触れていると日々いろいろなことを学ぶ必要があり大変ですね。

  • この記事を書いた人

ロキド画伯

NFTとメタバースが面白そうなので、いろいろ触れていこうかなと思います。

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