VRゴーグルを初めて使ったときに、多くの人が経験するのが「VR酔い」です。
遊んでいると気分が悪くなったり、頭がクラクラする感覚は、せっかくの没入体験を台無しにしてしまいますよね。
ですが、正しい対策を知っておけば、少しずつ慣れて快適に楽しめるようになります。
本記事では、VR酔いの原因や防ぐための対策を初心者向けにわかりやすく解説していきます。
VR酔いとは?
VR酔いとは、VRの映像と自分の体の感覚にズレが生じることで起きる不調のことです。
車酔いや船酔いと似た原理で、視覚から得る動きの情報と、実際の体の動きが一致しないために脳が混乱し、吐き気やめまいを感じます。
特に三半規管が敏感な人や、乗り物酔いしやすい人はVR酔いもしやすい傾向があります。
ちなみに、同じ「画面を見ている」のに、テレビは酔わないのは、視野の占有率が違うなどの理由があります。
テレビは「映像をただ眺めている」だけで、現実との境界が明確に残っています。
テレビは部屋の一部にあり、画面の外には「現実の景色」が見えていますので、 脳は「これは映像だ」と区別できます。
画面が動いても、自分の身体は「動いていない」と感じており、不一致はおこりません。
一方VRゴーグルは、視野の大部分を覆いますので、現実の手がかりが遮断されます。
実際の体は動いていないですが、脳は「実際に自分が動いている」と錯覚しやすく、感覚のズレが強調されて酔いやすいのです。
「自分が世界の中にいる」感覚が強いため、映像のカメラ移動がそのまま「自分の移動」として処理されてしまいます。
視覚(動いている)と前庭感覚(動いていない)の不一致が酔いの原因となります。
VR酔いを予防するための基本対策
リフレッシュレートは高めに
VR酔いを防ぐには、まずプレイ環境を整えることが大切です。
できるだけ高性能なVRゴーグルを使用し、リフレッシュレートが高い状態で遊びましょう。
リフレッシュレートは、1秒間に画面が何回描き変えられるかを示す数値で、高いほど酔いにくい傾向があるようです。
もちろん、フレームレート(FPS)も大事です。
フレームレートは、出力側が1秒間に何回生成できるかを示す数値。
リフレッシュレートが高くてもフレームレートが低ければ、チラつきや遅延感の原因になります。
あとは、ネットの通信環境も悪いと映像が途切れたりしますので、ボトルネックで通信速度が低下しないように注意しましょう。
適切なIPD(瞳孔間距離)の設定
VRゴーグルのレンズを調整して、自身の両目と位置を合わせます。
位置を合わせないと、画面がぼやけたりして、VR酔いの原因の一つとなります。
VRゴーグルによって、無段階に調整できるものと、段階的にしか調整できないものがあります。
できれば自身のIPDを測ってから、VRゴーグルの調整をすると良いと思います。
私の場合は、眼鏡を購入した時の処方箋で確認しましたが、IPDが平均より狭かったです。
他に方法として、IPDを測ることできるアプリがあるみたいです。
酔い止めを飲む
どうしても酔いやすい人は、酔い止めを飲むのも一つの方法です。
乗り物の酔い止め薬は、三半規管と視覚情報の不一致によって起こる乗り物酔いに効果があります。
VR酔いも、原理的には同じ「感覚のミスマッチ」によって起こるため、理屈の上では同様に効果があります。
休憩しながら少しずつ慣れよう
VR酔いは、少しずつ慣れることで軽減できる場合が多いです。
最初は短時間の利用から始め、毎日少しずつプレイ時間を延ばすと脳と体が順応してきます。
さらに、座ってプレイすると体の揺れが減り、酔いにくいかもしれません。
もしVR酔いを感じたら、無理に続けると症状が悪化しますので、すぐにVRゴーグルを外して休憩しましょう。
休憩中は目を閉じて横になる、深呼吸をする、窓を開けて新鮮な空気を吸うといったことが有効です。
また、水分を摂ったり、ミント系のガムを噛んだりするのも良いと思います。
強い酔いが残る場合は、その日は再開せずに休むのがベストです。
体調が回復してから、短時間プレイに戻すことが慣れる近道になります。
視界の動きが少ないアプリで慣れよう
視界の動きの少ないゲームや体験型コンテンツから始めるのも効果的です。
Meta Horizonストアでアプリを選択する時に、「視界の動き」という項目がありますので、視界の動きが少ないアプリを選択しましょう。
たとえば「静止した状態で映像を楽しむVRアプリ」や「移動の少ないパズルゲーム」などで練習すると良いでしょう。
VR内で急な移動を避け、スムーズなカメラ操作を意識するのも効果的です。
VRでの体の動きに脳が徐々に適応し、酔いにくい体質に鍛えられていきます。
私自身の経験からも、動画をライブ視聴している時はあまり気持ち悪くはならなかったのですが、アバターで動くコンテンツなどをプレイすると気持ち悪くなりました。
万全の体調でプレイする
乗り物酔いしやすい人や、長時間の画面操作で疲れやすい人は特に注意が必要です。
自分の体質を理解し、対策を徹底することが大切です。
VRプレイ前にしっかり睡眠をとり、空腹や満腹の状態を避けることで酔いにくくなります。
体調が悪い時には、VRを控えましょう。
【まとめ】無理せず少しずつVRに慣れよう
VR酔いは誰でも起こり得るもので、完全に避けるのは難しいですが、正しい対策と練習で大きく改善できます。
重要なのは「無理をしないこと」と「少しずつ慣れること」です。
環境を整え、必要に応じて酔い止めを取り入れたりしながら、自分に合った遊び方を見つけていきましょう。
VR体験は慣れれば非常に楽しいものです。
焦らず、自分のペースで快適なVRライフを育ててください。